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第48回菊水賞 レポート

開催日 2016年4月7日(木)
場所 園田競馬場
条件 サラブレッド系3歳
距離 1700m

レース結果

目に見えない大きな流れがレースを支配したのかもしれない。リーディング首位を突っ走る新子雅厩舎の秘密兵器が雨馬場で鮮やかに覚醒。紅一点の残船だった単勝64・1倍の超伏兵シュエットが大きな鼻差勝ちを収め、第48代菊水賞馬の座に就いた。
休み明けのノブタイザンはレース勘が戻ってなかったのか大きく立ち遅れた。対照的なロケットスタートを決めたビューティがハナへ。しかし、大外からブルーウィザードが強引に仕掛け、想定外の乱ペースに。好位のインに構えたるタケマルビクターに絶好の展開になったが、その直後で牙を研いでいたのがシュエット。直線は火の出るような激しいデッドヒートを繰り広げ、ゴール寸前でキッチリ差し切る会心のV。重賞初制覇の笹田は「確信はなかったんですが、勢いでガッツポーズをしてしまいました」と苦笑い。オープン馬の宝庫ともいえる新子厩舎だが、ほとんどの主戦ジョッキーは下原理。昨年、良を去ったタガノジンガロも木村健だった。辛酸をなめつくした末の重賞勝ちだ。喜びもひとしおだったろう。「そういうことはあまり意識していません。園田ジュニアカップでミスしたのに、また乗せてもらえたので何とか結果を出したいなと。下原さんに『ロスなく乗れば切れるから』とアドバイスしてもらったので、腹をくくって学(田中)さんマークでいきました。馬の力とスタッフのおかげです。みんなに助けられた鼻差です」と満面の笑み。指揮官の新子雅師も「ここへきて調整は上がっていたので密かに期待していたが、笹田がうまく乗ってくれた。悩んだり苦労したと思うが、いろいろ考えて結果を出した。これでひと皮剥けてくれるでしょう」と目を細めた。次走については「牡馬相手に勝ったのは自信になる。兵庫CSも考えるが、おそらくのじぎく賞(5月19日)になるのでは」。
1着=シュエット(笹田知騎手)学(田中)さんマークで馬の力を信じて乗りました。最後は馬の力。やっと師匠に恩返しができました。
2着=タケマルビクター(田中学騎手)イメージ通りに乗れたが、鼻差だけに悔やまれる。手応えが良すぎて早仕掛けになってしまったの。
3着=エイシンニシパ(板野央騎手)敗因は馬場。こんな滑る馬場は合わない。良馬場なら結果は違ったでしょう。
4着=アサクサセーラ(竹村達騎手)馬場を考慮して2コーナーから早めに行った。そのぶん最後は止まったけど、この相手で4着なら上等。
5着=ブルーウィザード(松浦政騎手)大外枠だし思い切って行った。行き切れなかったのに掲示板を確保したのだから力はある。
6着=ノブタイザン(杉浦健騎手)もともとスタートは良くない。道中も全然ハミを取らなかった。並みの馬ならドカ負けのケースを6着。次は良くなるでしょう。
7着=ケンキャクハーバー(吉村智騎手)返し馬のときから下を気にしてた。全然力を出してない。こんな馬じゃない。
8着=エクスペクトパレス(下原理騎手)外から行かれて展開がきつくなった。本質的には短距離馬だし、少し太かったのも影響した。
10着=エイシンシンタ(大山真騎手)行くだけ行ってみたがペースが速すぎて。脚を溜めたかったのに、なし崩しに脚を使わされた。
11着=トリノゴウショウ(高畑皓騎手)このメンバーで出遅れては。ペースが速くて、ついて行くのがやっとでした。

PROFILE

瀬藤治人
せとうはると

大阪スポーツ記者
86年4月専門紙記者となり、園田・姫路競馬のトラックマンとして活躍。04年に大阪スポーツの記者となる。長年の経験と鋭い分析による予想には定評がある。