レース結果
2400メートルの長距離重賞「第58回日刊スポーツ賞六甲盃」は、5番人気で川崎から遠征してきたアッキー(牝7、林隆)が、後続の末脚を完封して逃げ切り、園田で重賞初制覇を果たした。勝ち時計は2分41秒2。1番人気で3連覇を狙ったタガノゴールド(牡9、新子)は2着、重賞連勝を狙った2番人気のマイフォルテ(牡6、田中一)は3着に敗れる波乱の結果となった。騎乗した中田貴士騎手(33)は昨年ののじぎく賞をチャービルで制して以来、重賞3勝目を挙げた。
「騎乗依頼が来た時からワクワクしていました」と六甲盃を待ちわびていた中田騎手の好騎乗が光った。
「ハナへ行こうと決めていた」と思い描いた通り、スタート後に出ムチを振るって先頭に立った。しかし、「初めて2400メートルで逃げたので、ペースが分からなかった」と1周目の向正面で手綱を抑えすぎたことにより、エイシンニシパに競りかけられてしまう予想外の展開となったが、もう1度ハナを主張するとそこからは独壇場だった。
「(道中は)しっかりハミをかんで行くくらい元気だったし、コントロールも大丈夫」と絶好の手応えで3角からスパートを開始すると、地元の絶対王者タガノゴールドとの差は広がりはじめた。
「直線のビジョンを見て差があったので、大丈夫だと思った」と直線半ばで勝利を確信すると、最後はタガノゴールドに1 1/4 馬身差をつけて逃げ切った。今月9日に34歳の誕生日を迎える中田騎手にとって最高のプレゼントとなった。
管理する林隆之師(47)も「中田君が積極的に、うまく乗ってくれました」と誉めたたえた。「7歳牝馬ですが、ここに来て充実期を迎えています。遠征も3度目で慣れているし、また長距離のレースで好走してくれると思います」とタフネスな愛馬をねぎらった。
一方、3連覇を狙って1番人気に推されたタガノゴールドは好位の内に位置取り、理想的な展開に持ち込んだものの、逃げるアッキーを最後まで捉えることはできず2着に敗れた。下原騎手は「金沢(北國王冠)でアッキーが強いのは分かっていたので、4角で差がついたときに追いつけないと思った。自分の競馬はできましたが…」と無念の表情を浮かべた。
3着マイフォルテの田中一巧師は「少し内を通ることにこだわりすぎたかな」と4角でスムーズさを欠いたことを敗因に挙げた。前走オグリキャップ記念で大幅に減らした馬体を485キロ(15キロ増)まで戻した調整は見事だったが、地元の重賞初制覇は持ち越しとなった。