レース結果
3歳3冠の第1戦「第53回菊水賞」(1700メートル)は2番人気のシェナキングが中団から差し切り、1冠目を制した。勝ち時計は1分54秒0。騎乗した吉村智洋騎手は重賞通算31勝目で今年の重賞4勝目。菊水賞は初制覇となった。2着に3番人気のエイシンイナズマ、3着に8番人気のエイシンヒビキが入り、3連単は2万4390円と小波乱の決着。1番人気のサラコナンは直線で伸びを欠いて5着に敗れた。
混戦の3歳戦線でトップに躍り出たのはシェナキングだった。先行した有力馬が折り合いに苦心して出入りの激しい展開となったが、中団8番手でじっくり脚をためると吉村騎手が3角でゴーサインを出す。大外から先行集団を一気に飲み込んで直線で各馬をごぼう抜き。最後までエイシンイナズマが必死に抵抗したが、手応えで上回るシェナキングが半馬身かわして重賞初制覇を果たした。
昨年の園田ジュニアCで2着、近4走でも2着3回と詰めの甘さを見せていたシェナキングだったが、大舞台でようやく頂点にたどり着いた。吉村騎手は「いつも乗っている大柿君から癖は聞いていたし、過去の映像を見てイメージはできていた。長く脚を使うタイプだと思うが、後方からでは間に合わないかなという気持ちもあったので、今日はゲートから出していった。直線は少しモタモタしたが、最後は差し切れると思った」と吉村騎手は見事にテン乗りで結果を出した。
山口浩幸調教師は17年サウスウインドで園田金盃を制して以来の重賞制覇となった。「やはりこの(重賞制覇の)感触はいいですね」と満面の笑みを浮かべた。シェナキングについては、「おぼこい馬だと思っていたけど、急にたくましくなった。背も高くなり、胴も長くなり、体重も増えてきている」と成長を感じ取っていた。次走は未定だが、「距離が延びた方がいいので、地元の1870メートルになると思います」と師は今後のプランを語った。
一方、2着に敗れたエイシンイナズマは先行勢の中ではただ1頭上位に食い込んだ。永井騎手は「いつもよりハミを取っていました。(2周目3角で)いったん先頭に時は他に誰か来るのかなと思ったけど、最後まで反応できていたしもう少しでした」と悲願の重賞初制覇は叶わなかった。
3着のエイシンヒビキはスタートで後手を踏んだが、上がり最速の末脚で3着に食い込んだ。「こういう競馬ができればこの先まだまだ走ってくると思うよ」と川原騎手は素質を認めた。