昨年に引き続き金曜ナイターで行われる真夏恒例の重賞レース。
キリンジの移籍初戦、もっと強く勝つだろうと思われた方は大勢いたことだろう。現に当方もそう思っていたが、②着メイショウハクサンとは頭差。さぁこれをどう見るかだが、すべてに余力残し、次を見据えた調整だったことを考えれば、まぁ及第点、特に問題なしという見方が賢明かも。2走目を迎える今回は確実に前進気勢が加わったし、普段の雰囲気からしてまったく違う。追い切りはそこまで動かないタイプ?それで49-24秒台なら上々、馬体も迫力十分。おそらく前走時以上のパフォーマンス発揮だろう。しかし、このキリンジを上回る絶好の追い切りを見せたのはツムタイザン、外めを回って実に気分良く駆け抜けた。夏場も相当強い…が厩舎の見解。確かに張りも申し分ない、前走奇襲策のスマイルサルファー、ムキズが不在となれば9割以上の確率でハナ、後続がどこで仕掛けてくるかによっては逃げ残り十分。奇しくもこの一戦が行われる8月16日は管理する木村師49回目の誕生日、最高のバースデープレゼントになるか。
メイショウハクサンは今年に入って“らしさ”を発揮できなかったのは完全に前有利となった2走前六甲盃だけ、上がりは確実に切れる、以前ほど砂を被っても行き脚は鈍らなくなった。
ナムラタタには自身初めての重賞制覇がこの摂津盃だったという小牧太Jが乗る。追い切りにも騎乗して感触を確かめた『少し重いが、これで丁度良くなる。いい馬だね』と9日の初コンタクトはこれから絶対にお付き合いするカップル並み。距離も展開も不問、プラス22キロだった去年のようなことさえなければ一発十分。兵庫へ戻って来ていきなり重賞制覇となると場内はこれまで経験したことのない最高の盛り上がりになること間違いないが…。
■記者プロフィール
北防 敦(きたのぼう あつし)
ケイバブック チーフトラックマン
「競馬は調教から」をモットーに早朝からの調教取材を精力的にこなす。予想も、調教データを中心に組み立てる。